回帰


ミステリー小説の謎解きのように記憶が甦ることがある。
それは記憶が甦るのと同時に、現在の認識不足とそもそもの記憶の欠如からくるものもある。

朝7時20分
いつも目覚ましをかけている10分前に目が覚める。
普段から出掛ける数分前まで二度寝三度寝を繰り返すことが当たり前な僕にはまず有り得ないこと。
なぜかぱっちりと目が覚めてしまった僕は、レポートのチェックを始める。

そして簡単な食事を済ませてから、銀行に行ったり、経理のことを済ませたり、溜まりすぎた洗濯物を片付けたりする。
それらの雑務だけでかなりの時間をとられてしまい、気付いた時には家を出なければいけない時間になっていた。

そこでまず記憶の欠如。
そそくさと出掛ける準備をしながら、朝から数時間自分は一体何をしていたのだと、自分をいじめる。明らかに雑務に追われていた。ぼ〜っとしてたわけでもない。
僕の感覚としては、時間がすっぽりと奪われてしまったような感覚だ。
無駄な自己嫌悪に陥ってしまった。

今日は昨日と同じで天気が良かった。
昨日はただ天気が良かっただけで楽しくて仕方なく、一人で勝手にモチベーションが上がるような感じであった。
しかし今日はまったく良い気分ではない。
かといって嫌な気分というわけでもない。
なんとなく不思議な気持ちを抱えながら出掛けた。


午後2時。
テンションを上げて頑張らなければいけない時に、突然、今朝見た夢を思い出す。
それも3つ同時に。

一つ目。
僕の目にメガネが合わなくなってくる。
だんだんと視力が悪くなってきて、僕の目は世の中を抽象的にしか見ることが出来なくなってしまう。
左右の視力が違うことから、どんどん気分も悪くなる。
もう二度と写真を撮ることは出来ない。
しかし感傷的な気持ちは記憶にない。
僕の中で芸術の終わりをただ冷静に受け取るのみだった。


二つ目。
恋人(みたことない顔)に好きな男が出来て、どうやって落とせばいいか相談される。
彼女の中で僕と付き合っていないことになっていたのか、付き合っていたことを忘れたのか、そもそも付き合うって何なのか分からない人なのか、そのへんのことは良く分からない。
ただ分かったのは、僕と彼女は恋人同士ではないということ。
これも感傷的な気持ちが記憶にない。
心変わりしない女性なんてこの世にいないという前提が夢の中ではあった。


三つ目。
僕は田舎にいた。
ただそれだけ。
緑の美しい山々と、緑に輝く稲穂が目の前の世界を占めていた。
季節は春から初夏という所だろうか。
僕の地元のようで地元じゃない、記憶の中にある原風景のようなもの。
その風景が僕の記憶の中でしか存在しないものだと夢の中でも気付いていた。
夢の中での夢。
そこに人間は誰一人として現れては来なかった。



その時点で、なぜ早起きしたのか思い出せた。
僕は悪夢を無感情的に見てしまい、夢を見ていられなくなったのだ。
なぜそこに感情がからんでこないのかが気になるポイントでもあるのだが、その時に何となく気分が冴えなかったのは夢をまだ引きずっていたからかもしれない。


午後6時。
一日を通して、どうも考え方が多少ネガティブな方向にいく。
夢のせいもあるが、それだけで一日引きずるわけはない。
その時にふと気付いた。
昨晩、作業をしていたせいで寝たのが4時すぎ。
そしてなぜかなかなか寝付けなかった。
今朝、多分夢のせいで早起きしてしまったので、睡眠時間は結局3時間ほど。
ようやく自分が睡眠不足で疲れているから多少ネガティブで感傷的になっていたということに気付いたのだ。

何てことはないのだ。ただ現在を生きればいい。
ただそれだけのことも、忘れてしまった過去に縛られてしまっていた。
それに気付いた瞬間、ついつい笑ってしまった。
そして多少元気になった。

結局出来事としては大したことはなかったのに、何だか精神的に一人で色々あった一日だった。
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by masarumizushima | 2009-02-13 06:00 | 日記

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